「とんでもない本に出会ってしまった」
『空飛ぶタイヤ』を読み終えた今、疲労感と、過去イチの高揚感の中にいます。
『下町ロケット』半沢直樹シリーズ(銀翼のイカロス)』でおなじみの池井戸潤さんの名作です。
「ちょっとさわりの数ページだけ」と軽い気持ちでページをめくったのが運の尽き(?)
上下巻で900ページオーバーというなかなかのボリュームですが、金曜22時から土曜夕方まで、生活リズムを壊して一気に読破しちゃいました。
この記事では一気読みしてしまった「空飛ぶタイヤ」の感想を紹介します。
- 絶望的な状況で戦い続ける社長の姿に勇気をもらった
- 入社当時、「大手企業に入れて成功だ!」と思っていたのに、今では「しんどい…」と感じている理由がわかった気がする…
状況が一転二転する物語の面白さはもちろん、今の仕事に違和感を抱いている人にこそ刺さる1冊なんじゃないかなと思います。
この本はこんな人におススメ
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「空飛ぶタイヤ」あらすじ
絶望から始まる、町工場の社長の物語
物語の主人公は、小さな運送会社の社長。
ある日、自社のトラックからタイヤが突然外れ、歩行者の母親が亡くなるという事故が起きます。
事故の原因は「運送会社の整備不良」と報道され、そこから社長の地獄のような日々が始まります。
取引停止、融資の打ち切り、社員の離職、そして子供へのいじめ……。
文字通り「どん底」の絶望の生活がスタート。
それでも社長は、家族や社員を守るために立ち上がります。
「原因は整備不良ではなく、トラック自体にあるのではないか?」
その疑念を胸に、巨大な自動車メーカーに戦いを挑みます。
「誠実・頑固・筋を通す」中小企業の社長
VS
「保身・名誉・出世」の大手メーカー社員
「いつか風向きが変わるまで、歯を食いしばってやれることをやる」という社長の姿勢は、今の会社をネームバリューで決めた僕にとって、輝いて見えました。
面白かったポイント:絶望と希望のジェットコースター
とにかく、社長が熱くてかっこいい!
読み進めるうちに、気づけば必死に応援していました。
ただ、中小企業と大手企業の戦力差をひっくり返すのは、決して簡単じゃありません。今すぐ会社が倒産してもおかしくない状況がずっと続きます。
「次のページでは、少しは状況が良くなるんじゃないか?」
そんな期待と応援でページをめくる手が止まらなくなり、いつの間にか夜更かししていました。
「流れがいい方向に変わったぞ!」と思ったら、また絶望に突き落とされる。
まさにジェットコースターのような展開の連続でした。
一番刺さった言葉:成功とは主観と客観の一致である
刺さった大手企業側の人間の言葉
物語を通して、基本的には中小企業の社長を応援しながら読んでいました。
ですが、意外にも僕が一番刺さったのは、敵対する大手企業側の人間の言葉でした。
僕は今、新卒で入ったいわゆる大手企業の3年目です。
周りの先輩を見ると、給料はいいけれどサビ残まみれで疲れ切っていて、「20年後、俺もああなるのか……」と絶望したり、日々期限に追われる日々に疲弊したりしています。
そんな僕の心に、このセリフが刺さりました。
「主観と客観。その二つは必ずしも一致しない。今の沢田がそうであるように。商品開発部への異動という客観的成功に隠された、やりたい仕事ができないという主観的不満。客観的には満足できても、主観的には物足りない。主観と客観が両立したとき、夢は実現する。あるいは、夢が実現したとき、主観と客観は両立している。そういうものではないだろうか。」 空飛ぶタイヤ(下) (講談社文庫) (pp.205-206).
このシーンは、沢田という男が自社の汚職を隠すことで、昔からの夢だった「商品開発部」への異動を勝ち取った場面です。客観的には「夢を叶えた成功者」ですが、やりたかった仕事はさせてもらえず、主観的には満たされない思いを抱えています。
「夢」を「客観的/主観的」な成功の一致、と分解する考え方は僕にはなかったので、驚きました。と同時に、今の自分の苦しみを言い当てられた気がして、すごく共感したんです。
大手新卒入社の僕は成功か?
今の会社に入れたことは、客観的に見れば「成功」でしょう。
親も先生も喜んでくれたし、給料もいい。
だけど、当の僕は毎日が苦しくて、辞めたいと思っている。主観的には、今の会社は「失敗」なんです。
たとえ給料やネームバリューがそこそこでも、好きな人に囲まれて、情熱を持って取り組める仕事に就くこと。それこそが、今の僕にとっての「主観的な成功」なんじゃないかなと考えてきています。
客観的に見て「給料が下がる転職」は、世間では「失敗」と呼ばれるかもしれません。
でも、主観と客観が両立するところにしか「夢の実現」はないのだとしたら。
この本を読み終わった今、自分にとっての「成功」を、もう少し真剣に探してみたいと思っています。
空飛ぶタイヤ 感想まとめ
僕にとってこの小説は、「自分にとっての幸せとは何か」を深く問いかけてくる物語でした。
情熱を持って仕事に打ち込む社長の姿は、どこまでもキラキラして見えました。
ひるがえって今の自分は、未来のことを考えては悲しい気持ちになっています。
今の会社で、情熱を持ってギラギラと突き進むのか。
環境を変えて、新たなスタートを切るのか。
それとも、自分のやりたいことをゼロから見つめ直すのか。
答えはまだ、一つには絞れません。
けれど、赤松社長のように「いつか風向きが変わるまで、歯を食いしばって今やれることをやる」。今はそれでいいんだと、この本に背中を押してもらった気がします。
仕事に悩み、自分の立ち位置を見失いそうになっているすべての人に。
『空飛ぶタイヤ』は、泥臭いけれど確かな「希望」をくれる、最高の1冊でした。
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